・高硬度
炭化ケイ素は非常に硬く、新モース硬度13の物質です。ダイヤモンドの硬度15、炭化ホウ素の硬度14に次ぐ硬さを誇っています。ビッカーズ硬度では2200~2400HVです。
・耐熱性
炭化ケイ素の最高使用温度は1600℃で、非常に高い耐熱性を有しています。分解温度も2545℃であり、高温環境でも安定した性能を発揮します。
・熱伝導性
炭化ケイ素の熱伝導率は270W/m・Kで、金属に近い数値を持っています。たとえばアルミニウムは236W/m・K、金は320W/m・Kです。
・低熱膨張率
炭化ケイ素は熱膨張率が4.5×10-6/℃と低いため、温度変化にともなうサイズや形状への影響が少ないです。
・耐酸化性
炭化ケイ素の酸化開始温度は700℃以上です。酸化が起こっても表面にSiO2(二酸化ケイ素)の保護膜が形成されるため、それ以上の進行を抑制します。
・耐薬品性
炭化ケイ素は強酸・強アルカリに対する耐性を持っています。フッ化水素酸と硝酸の混合溶液や高濃度の水酸化ナトリウムにも侵されません。
・半導体特性
炭化ケイ素には半導体としての特性があります。発熱体として使用できる低抵抗領域から絶縁体に近い領域まで、炭化ケイ素の電気抵抗が変化しうる範囲は10桁以上です。このため、シリコンを超えるパワーデバイス用素材としての期待が高まっています。