切削が難しい理由
アルミナは高い硬度と耐摩耗性を持ち、切削工具材としても使用される非常に加工が難しい素材です。また、素材としての脆さも大きな特徴であり、クラックと呼ばれるひび割れの発生によって高精度での加工をより困難にしています。
アルミナは焼結後にはさらに高硬度となるため、切削加工で仕上げを行うことはほぼ不可能とされています。仕上げはダイヤモンド砥粒による研削加工が一般的であり、切削加工は焼結前の荒加工に使用されるのがほとんどです。
切削加工の注意点ポイント
アルミナは切削によって荒加工した後、焼結を行い、最終的にはダイヤモンド砥石などを用いて仕上げを行います。そのため、切削加工では焼結による変形を視野に入れ、可能な限り最終形状に近づけるように加工することが重要です。
また、焼結後に超高度となったアルミナを切削加工することは困難とされており、ほとんどの仕上げには上記のように研削加工が用いられてきました。
切削加工は生産性が高く、過去にも高硬度の切削工具を使用して焼結後に切削することが試みられてきました。しかし、工具摩耗が大きく、割れや欠けといった問題が避けられないことから、一定以上のワークサイズにおいては実用化に至っていないのが現状です。