レアメタルのすべてをサポートする会社

PROCESS MATERIAL

加工材質
ホーム > 窒化ケイ素(SiN)加工

窒化ケイ素加工

窒化ケイ素(SiN)加工ならアローズ

窒化ケイ素(SiN)だけでなく、高融点材(モリブデン・タングステン・タンタル)を軸に一般金属からセラミックスまで『削る』・『切る』・『曲げる』・『繋げる』・『磨く』などすべてのあらゆる加工に対応しています。

レアメタル加工フロー1
レアメタル加工フロー2

アローズの強み=高品質×低コスト

  • 海外工場からの直接材料調達
  • 国内外の最適工場での加工
  • 国内での徹底した品質管理保証

窒化ケイ素(SiN)は耐熱衝撃性や耐摩耗性に優れることから、さまざまな産業用途で利用されています。特に半導体技術や機械部品の製造においては、窒化ケイ素が持つセラミックス特性が有用です。今回は、窒化ケイ素の成分と構造、特徴、特性、種類、用途を説明し、切削性や切削加工時の注意点についても解説します。

窒化ケイ素(SiN)とは

窒化ケイ素(窒化珪素)は英語で「Silicon nitride(シリコンナイトライド)」と呼ばれる白もしくは灰色の成型物用の原料粉末です。ここでは、窒化ケイ素の成分と構造、特徴、機械的特性を説明します。

コンテンツ一覧

窒化ケイ素(SiN)の成分と構造

窒化ケイ素はケイ素(Si)と窒素(N)からなる無機化合物で、化学式は「SiN」です。人工的に合成してつくる非酸化物系セラミックス材料として知られています。非酸化物系セラミックスには、窒化物系の窒化ケイ素と窒化アルミニウム(AlN)、炭化物系の炭化ケイ素(SiC)があります。

窒化ケイ素の分子構造は高密度のため、非常に堅固です。この材料は高温での強度や、耐摩耗性、耐熱性などの特長を持ちます。開発材料としてはα-型構造とβ-型構造の窒化ケイ素が使われますが、焼結用原料粉末の殆どはα-型です。

窒化ケイ素(SiN)の特徴

窒化ケイ素はエンジニアリングセラミックスの一種で、耐熱衝撃性や破壊靭性に優れています。特に高温環境における強度の保持能力は、窒素化ケイ素が高く評価されている特徴のひとつです。14001500で低温安定相のα-型から高温安定相のβ-型に相転移するため、約1900までの不活性雰囲気下でも安定した強度を保つことができます。熱膨張率も低いため、形状変化もほとんど起きません。

また、窒化ケイ素は化学的に安定した、耐食性の高い物質です。塩酸や硝酸、フッ酸には侵されるものの、溶融金属からはほとんど影響を受けません。耐摩耗性や電気絶縁性にも優れるため、非常に幅広い産業分野で活躍しているセラミック素材といえます。

窒化ケイ素(SiN)の代表的特性

窒化ケイ素が持つ代表的な機械的特性を以下に説明します。

 

耐熱衝撃性:急激な温度変化への耐性を示す特性です。窒化ケイ素は温度差に非常に強いセラミックス素材で、水冷800の耐熱衝撃性を誇ります。

 

高温強度:室温以上の温度状況下における材料の強度を表します。窒化ケイ素の3点曲げ強さは、600付近でも1000MPa前後です。

 

靭性:脆性と対になる特性で、材料の粘り強さを意味します。靭性が高い材料は、圧力によって変形したとしても破壊まで至りにくいのが特長です。

 

耐摩耗性:摩擦や研磨などの機械的作用による消耗に耐える特性のことです。窒化ケイ素は耐摩耗性が高いため、機械または構造物の摺動部品としても活用されています。

 

耐食性・耐薬品性:窒化ケイ素は化学的に安定した材料で、酸やアルカリ、腐食性ガスに対して高い耐性を示します。

 

電気絶縁性:窒化ケイ素の電気抵抗は大きく、ほかのセラミックス素材と比較して高い電気絶縁性を持っています。熱的特性(高熱伝導率・低熱膨張率)も考慮すると、電気電子部品に適した素材です。

窒化ケイ素(SiN)の種類

窒化ケイ素の種類は「反応結合窒化ケイ素」「ホットプレス窒化ケイ素」「焼結窒化ケイ素」の3つです。ここでは、それぞれの窒化ケイ素について、簡潔に説明します。

反応結合窒化ケイ素(RBSN)

窒素ガス雰囲気中でケイ素粉末を加熱・成形したものです。疲労破壊が起こりにくく耐クリープ性にも優れます。高温環境に強いため、1400でも高い機械強度を保持することが可能です。さらに、1150までは長期の酸化耐性も示します。

ホットプレス窒化ケイ素(HPSN)

HPSNは高温(17001800°C)で圧力をかけながら焼結することにより、焼結性を向上させた窒化ケイ素です。RBSNよりもさらに強靭なセラミックスといえます。

焼結窒化ケイ素(SSN)

SSNは高密度で、常温から高温(1000以下)での機械特性に優れます。ただし、窒化ケイ素そのものは難焼結性であるため、SSNの製造には補助剤として酸化物が必要です。酸化物の添加量が少ないほど高温特性は向上しますが、高品質な焼結体を得るのも難しくなります。

窒化ケイ素(SiN)の活用用途

窒化ケイ素の靭性や強度の高さは、多様な分野で活用されています。耐熱衝撃性や耐食性、低熱膨張率といった特徴により、過酷な環境下でも利用可能です。以下、窒化ケイ素の活用用途を分野別に紹介します。

産業機械分野

窒化ケイ素は高温・高圧下に耐える部品素材としての需要があります。半導体製造装置のステージ部品やリニアモータとしての活用はその一例です。溶接機や金属溶融炉、ダイカスト機といった高い耐熱性が求められる機械類をはじめ、多くの一般産業機械に用いられています。

 

機械部品・工具関連分野

窒化ケイ素の耐熱衝撃性・耐摩耗性は、ベアリングやモーターシャフトなどの機械部品や、切削工具や耐熱治具のような工具類に広く活かされています。破壊靭性に優れるため、分級機やエアータグミル、ビーズミルといった粉砕機械類の部品としても最適です。

 

高温構造材料分野

高温強度と低熱膨張率が特徴的な窒化ケイ素は、高温構造材料としても優れています。エンジンやガスタービン、燃焼器、あるいは溶接機のトーチノズルなど、超高温に晒される部品に用いられます。

 

その他の産業部品分野

窒化ケイ素は、溶融アルミニウム関連部品や高温絶縁部品、耐熱容器といった用途にも適しています。優秀な特性をあわせ持った素材であるため、窒化ケイ素の利用は今後もますます広がっていくでしょう。

窒化ケイ素(SiN)の切削性と切削時の注意点

窒化ケイ素には優れた機械的特性がいくつもありますが、切削加工をする際には逆に障害となります。そもそもファインセラミックスである窒化ケイ素は、切削工具の材料として採用されるほど耐摩耗性の高い物質です。特に強度および硬度、靭性が高いことが、窒化ケイ素に難削材としての側面を持たせています。

 

ファインセラミックス:化学組成や結晶構造、製造工程などを厳格に制御してつくられる高精密セラミックスのこと。新しい特性・機能をもつセラミックとして、自然材料から作られる従来のセラミック(陶器・磁器)と区別する。

 

工業用セラミックスとして利用される場合、焼結された窒化ケイ素を切削加工します。切削にはダイヤモンド工具(ダイヤモンド砥石・ダイヤモンドワイヤーソー・ダイヤモンドホイールなど)を用いるのが一般的ですが、窒化ケイ素に対して45倍の硬さを持つダイヤモンであっても著しく摩耗します。そのため、ダイヤモンド工具よりも硬度が劣るCBN工具だと、スムーズに切削をおこなうのは困難です。

 

これまでの説明から、窒化ケイ素を切断や穴あけといった機械加工をする際には、加工条件の見極めが重要になることは容易に想像できるでしょう。条件設定の不備で工具の交換頻度が高くなってしまうと、想定以上の加工コストがかかってしまいます。

 

窒化ケイ素の加工時の問題は工具の消耗だけではありません。セラミック材料の内部に機械的応力が生じるリスクも考慮する必要があります。残留応力は破損やクラック(割れ)の原因となるため、材料用途によっては熱処理・応力除去焼結といった後処理の工程が不可欠です。特に厚さ100μm未満の薄板材料のような精密加工が求められるセラミック片の場合には、加工後工程が複雑になることで生産コストや加工時間が増加するケースがあります。

 

窒化ケイ素の切削に関する課題を速やかに解決したいのなら、熟練の技術を持つ加工業者に依頼するのがおすすめです。特定の工具や高剛性の工作機械を所有しているか、窒化ケイ素の特性を熟知した上で適切な加工法の選定および加工条件の調整ができるか、といったポイントで判断しましょう。

窒化ケイ素(SiN)加工ならアローズにご相談ください

窒化ケイ素加工に関する材料調達、加工、検査まで一貫対応
豊富な加工実績とノウハウと確かな品質の製品をお届け

トップへ戻る
アローズでは、レアメタル製のボルトナットを常時販売しております。
大学などの研究機関向けが多いです。
もちろん一般の企業様にも販売しております。
超極細M1のナットも対応可能ですし、六角穴付きボルトも問題ありません。
頭の形状、首下の長さをご教示頂ければすぐお見積り致します。
例)すり割り M5x6L 10本